
ケアマネの給料はどうなる?
2026年介護報酬改定で「月1万円+ICT」で何が変わるのか
2026年度(令和8年度)の介護報酬改定は、
ケアマネジャーにとって“歴史的な転換点”と言っていい内容です。
これまで居宅介護支援(ケアマネ業務)は、
処遇改善加算の対象外とされ続け、
介護職より給料が低いケースも珍しくありませんでした。
しかし今回、国はついにこの構造を変えに来ました
ケアマネの賃上げは「2段階」で実施される

今回の改定で、ケアマネの賃上げは次の2つに分かれます。
| 区分 | 内容 | 条件 |
|---|
| 基本の賃上げ | 月額+1万円(約3.3%) | 特別な対応なし |
| 生産性向上の上乗せ | さらに+7千円(約2.4%) | ICT導入が必要 |
つまり、
何もしなくても月1万円は上がる。
さらに上げたい人は、ICTを使え。
という仕組みです。
月1万円の賃上げは「全ケアマネ」が対象
今回、新しく設けられる「処遇改善加算」によって、
これまで対象外だった居宅介護支援事業所も
介護職と同じように賃上げ原資を国から受け取れるようになります。
これはつまり、
「ケアマネも介護職と同じ“処遇改善の対象職種”に格上げされた」
という意味です。
これまで事業所の経営努力に任されていたケアマネの給料が、
国の制度として保障されるようになった点が最大のポイントです。
さらに給料を上げるには「ケアプランデータ連携」が必要
もう一段階の賃上げ、
月+7,000円の上乗せを受けるためには条件があります。
それが、
ケアプランデータ連携システムの活用
です。
これは、
- ケアプラン
- サービス提供票
- 変更情報
などを、FAXや郵送ではなく
デジタルで事業所間共有する仕組みです。
国はこのICT活用を、
「生産性向上に取り組む事業所の証明」
として評価し、その分を賃上げに上乗せします。
なぜ国はここまでICTを求めるのか
なぜ国はここまでICTを求めるのか
理由はとても現実的です。
今の居宅ケアマネの仕事は、
- FAX
- 印刷
- 押印
- 郵送
- 二重入力
といったムダな作業であふれています。
国はこう考えています。
人を増やすより、ムダを減らした方が早い。
だから、
「紙とFAXをやめた事業所だけ、さらに評価する」
という仕組みにしたのです。
ケアマネにとって何が変わるのか

この改定で、ケアマネの立場は大きく変わります。
良い点
- 給料が国の制度で上がる
- ICTが使える事業所ほど評価される
- ブラック事業所が生き残りにくくなる
しんどくなる点
- 利用者負担の説明が増える
- 「無料の相談役」ではなくなる
- 業務の可視化・データ化が進む
まとめ:これは「ケアマネの再定義」
2026年改定は、単なる賃上げではありません。
ケアマネを
“無料で何でもやる人”から
“専門職として報酬が払われる人”に変える改革
です。
ICTに適応できるケアマネほど評価され、
できない事業所ほど取り残されていく時代が始まります。
ケアマネにとっては不安もありますが、
本気で仕事をしてきた人が報われる制度が、
ようやく動き出したとも言えるでしょう。
