身寄りのない方へ支援制度の話が始まった。そのとき現場は何を背負わされるのか?

介護保険の事〜

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身寄りのない高齢者らの支援、新制度創設へ報告書 厚労省 社会福祉法など改正へ | 介護ニュースJoint
厚生労働省は15日の審議会(社会保障審議会・福祉部会)で、2040年を見据えた地域共生社会の深化策をまとめた報告書案を提示し、大筋で了承を得た。【Joint編集部】 身寄りのない高齢者らの日常生活や死後事務などを一体的に

まずは厚生労働省が「身寄りのない高齢者支援の新制度創設に向けた報告書案」のニュースをみて思ったこと

今回はこの記事が目に留まりました。

厚生労働省が「身寄りのない高齢者支援の新制度創設に向けた報告書案」を示した、という内容です。

記事によると、

これから 日常生活から死後の手続きまでを支える仕組みを制度化する方向で検討が進んでいる とありました。

具体的には、判断能力が十分でない高齢者や、頼れる家族のいない人を対象に、

見守り、金銭管理、入院・入所の手続き支援、そして葬儀や家財整理などの死後事務支援まで含める案が出ています。

また、

◇ できるだけ無料・低額で提供できる仕組み

◇ 社会福祉協議会や社会福祉法人など多様な実施主体を想定

◇ 来年の通常国会で法改正案提出を目指す

という話も出ています。

このニュースを読んだとき、

「今ようやく制度の話が始まったのか…」

という思いと同時に、

「記事には期待する声だけでなく、現場の不安や責任がどうなるのかがまだ見えないな」

という感覚が湧いてきました。

制度化の話が出るということは、現場視点では何を意味するのか

こういうニュースを見て、

現場の人間ならまず考えるのは、

「良い制度になったら確かに助かる部分もある」

という期待です。

でも同時に、

「制度化するという話が始まっただけで、実際の運用や責任の所在はまだこれからなんだよな…」

という不安も消えないんです。

制度化というのは、

枠組みを作ること。

法律や規則として位置づけること。

でも、

現場ではすでに、

身寄りのない高齢者の生活支援や死後事務を

民間団体やNPOが担いながら日々奔走しているんです。

そうした“現実”があるからこそ、

ニュースになるわけです。 

期待と不安が同時に走る理由

新制度の骨子を見ると、

確かに支援の裾野を広げようという意図はある。

対象になるニーズはこれまで行政サービスが 100%カバーできなかった部分でもあります。

でも、

ここからが大事な話です。

制度化の話が始まったということは、

つまり現場で支援する人たちの役割が

制度という形に組み込まれ、形を変えていく可能性がある

ということでもあります。

「形にする」ことが必ずしも

「責任や負担がクリアになる」ことを意味しない。

現場で起きる不安は、まさにそこなんです

「支援の現場」はすでに動いている

例えば、

・見守り

金銭管理

・施設入退院の手続き

・死後事務の対応

こういう支援は、

制度がない今でも必要で、

すでに多くの民間団体やNPOが行っています。

ただ現状では、

これらの支援は法律として位置づけられていない。

だからこそ、柔軟に対応できる面もあれば、

責任や保証の面で不安が残る部分もある。

制度化によって

「これは公の支援になる」

という期待はできるけれど、

「だから現場の不安がなくなる」

という保証にはなっていません。

まだ実際の制度設計はこれからですし、

どういうルールで、

誰がどういう役割を負うのかは、

これから詰めていかなければいけない段階です

現場がいちばん気にしている「責任の所在」

私がこの記事を読んで一番に考えたのは、

「責任はどう整理されるのか?」

という点でした。

現場で支援する人や組織は、

すでに多くのリスクを背負いながら動いています。

それがこれから制度になるとなったとき、

支援の幅が広がることは良いことですが、

✔ 誰が最終的な責任を持つのか

✔ 判断能力が不十分なケースの決定権は誰にあるのか

✔ 示談やトラブル処理はどうするのか

✔ 行政と現場の境界線が曖昧にならないか

といった不安が、

現場の人間には先に立ってしまいます。

ここがクリアにならないまま進むと、

「制度はできたけれど現場は守られない」

という構造になりかねません

まとめ:期待はする。でも慎重に考えたい

新制度の歩みが始まるというニュースは、

確かに社会にとって大きな一歩です。

でも、

制度化の議論が始まった今だからこそ、

現場からの声が届く仕組みをつくる必要があります。

ただ「支援を増やす」だけではなく、

それを誰がどう支えるかまでを

しっかり設計してほしい。

現場にはすでに、

すでに支援を必要としている人がいて、

すでに支えている人がいます。

制度化はまだこれからの話。

でも、

現場はすでに次の一歩を考え始めているのです。

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